約20年前、インターネット黎明期。ダイヤルアップだのISDNだの画像すらまともに表示するのに時間がかかっていた時代。数々の「ホームページ」が誕生しましたがそれを支えていたのが「Yahoo!ジオシティーズ」。
広告は表示されるものの、HTMLを手打ちしたり、ホームページビルダーなどで作ったページをアップロードして、無料で公開することができるということで人気を博しました。また趣味趣向によって”ストリート”と呼ばれる場所にホームページを開設するなど、個人同士が繋がるインターネット村としての役割も強かった気がします。実はある意味ソーシャルネットワークサービスの走りのような存在だったのかもしれません。
ところが近年は無料ブログやSNSなど、様々なサービスが誕生し、すっかり影は薄くなっていました。
そしてとうとう「Yahoo!ジオシティーズ サービス終了のお知らせ」が。しかしその内容があまりにも愛に溢れたエモい内容になっています。
サービス終了のお知らせはサバサバしてるものが多いですが、2000年当時のスクリーンショットを交えつつ、ジオシティーズの来歴からはじまり、サービス終了に至る経緯はもちろん、1990年後半～のインターネット文化を可能な限り残したかったことや、「昔作成したホームページがジオシティーズに残っている、黒歴史だから早く消えて」というTwitter上のつぶやきを取り上げたり、インターネット老人会メンバーには恐らくグッとくる文章になっています。
極めつけは文章末尾のブラックホールのような謎のGif画像をクリックすると以下のようになります。
カウンターや横移動するお知らせ文字、ダサい謎背景や無駄にテーブル使った感じなど「当時のホームページ」を再現したあのデザインになるという、粋なお知らせページになっています。
終了スケジュール
「Yahoo!ジオシティーズ」のサービス・機能ごとの終了スケジュールは以下の通り。
2019年3月31日12時より、有料プランの解約処理が実施され、2019年3月31日過ぎるとホームページの表示されなくなりますが、「転送設定」したホームページについてはアクセスされても、9月30日まで移転先のホームページにアクセスしてもらうことは可能です。また2020年3月31日までFTP上のデータは残っていますので、データのダウンロードの必要があれば猶予はかなりあります。
なお、実は2019年1月10日まで新規ホームページ開設はできます。と言ってもすぐに終了するので新規作成する意味はありませんが、今はどんな感じになっているのか見てみたい場合は良いかもしれません。
ホームページを移転するには？
お知らせページにも書いてありますが、FTPソフトでYahooジオシティーズにアクセスして（ホスト名：ftp.geocities.jp、ユーザー名・パスワードはお使いのYahoo! JAPAN IDのもの）データをパソコンにダウンロード。あとは用意したサーバーにアップロードするだけです。詳しい手順はログイン後の画面に書いているそうです。
お知らせページで紹介されている移転先は「さくらのレンタルサーバ（有料）
、ロリポップ（有料）、エックスサーバー（有料）
、XREA（無料プランあり）
、忍者ホームページ（無料プランあり）、スターサーバー（無料プランあり）
」。それぞれYahooジオシティーズ利用者向けのキャンペーンが行われていたりもしますのでこれを機会に移転してみるのも良いかもしれません。
個人的には長年使いつつ、無料版からあって安く、ここ1年でサーバーのスペックが向上したGMOデジロックのXREA（エクスリア）がおすすめです。
忘れないうちにサルベージしておきましょう。そのまま永遠に眠って欲しいものもあるかもしれませんが。
今年の3月29日にはディレクトリ型検索である「Yahoo!カテゴリ」が終了するなど、今思うとすっかり様変わりした現在のインターネットですが、このような時代を経て今の便利なサービスが生まれてきたことを思い返してみると良いのかもしれません。
※気になって探してみましたがたぶん消したのかありませんでした。