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イヤホン・ヘッドホンのエイジングってどうなの?1MORE Piston Pod とPai-FLATのレビューを交えて試してみる

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Pai audio Audio Earbuds 3.14 FLAT VS 1MORE Piston Pod EO320

新しいイヤホンやヘッドホンを買った時に、行うエイジングというのをご存知でしょうか?

エイジングとは簡単に言ってしまえば慣らしの事。音楽などをイヤホンやヘッドホンで長時間鳴らして、完全に音が出るようにする事です。

そもそも、工場から出荷された段階で完璧に仕上がっているはずなのエイジングなど必要ないとの意見も有るのですが、買ったばかりのイヤホン・ヘッドホンの音は耳に優しくないというか、キンキンするんですよね。

耳も疲れやすいですし、買ったばっかりのイヤホン・ヘッドホンをそのまま使うのはあまり好きでは有りません。

レビューを見ていると開封して聞いてみたら、とても聞いてられない音だったので、お蔵入りにしたなんてのを見かけますが、個人的には随分勿体無い事をするなと思います。

エイジングに関する実体験

最近は低価格のイヤホンに良いのが出てきているとの話しを聞いたので、レビューなど参考にいくつか買ってみる事にしました。たいていは中国ブランドのイヤホンなのですが、安くで色々試せるのは面白いのと、低価格イヤホンの実力がどの程度なのか試してみたいのも有りました。

購入したのは以下二点

Pai audioは中国深圳のオーディオメーカー、 Pai audio Audio Earbuds 3.14 は日本ではPai-FLATという名称でよく売られているようです。
1MOREはスマホで有名な小米/Xiaomi(シャオミ)の音響ブランドのようです。

どちらも耳に挿入して使用するカナル型では無くて、iPhoneの付属イヤホンのように耳の縁に引っ掛けるようにして使うオープンイヤータイプのイヤホンです。
カナル型は遮音性が高く低音がよく鳴る製品が多いのですが、最近は遮音性の高さで周囲の音が聞こえない事に問題を感じ始めました。

また、シリコン製のイヤーピースが耳の中でゴソゴソと音を立てるのが不快で、音が良くても、こんなにゴソゴソ言ってるんじゃ意味が無いんじゃないだろうか?と考え、久しぶりにオープンイヤータイプを選択した訳です。

オープンイヤータイプのイヤホンは国内メーカーでは発表が減っています。店頭で試聴してみたときに、第一印象の良いカナル型が売れやすいからではないかと思っていますが、オープンイヤー型にも良い点は有ると思うので、ちょっと残念にも思います。

結局、国内メーカーの製品では、いまいちピンとくる機種が無かったのも中国メーカーのイヤホンを選択してみた理由です。

PAI-FLATは2000円程度、1MORE Piston Pod EO320は4000円程度のイヤホンなので、最低価格ランクの商品と言う程でも無く、スマホに付属のイヤホンからステップアップレベルといったとことでしょうか?どちらにしても、両製品ともに高級グレードにランクされるような商品では有りません。

開封段階での評価は、オープンイヤーにしては広がりも有るし、もっとスカスカかなと思ってたのですが、思ったよりは低音も鳴るなといったところ。

しかし、やはり何やら耳が疲れるので、エイジングを始めました。

Pai audio Audio Earbuds 3.14 FLAT

Pai audio Audio Earbuds 3.14 FLAT デザインの好みは分かれそうですが、オーソドックスなデザインのイヤホン

1MORE Piston Pod EO320

1MORE Piston Pod EO320は金属製のハウジングでやや高級感が有ります。ブラックも有りますが、ゴールドにしてみました。金属製なので、付けた時に冷たいです。

まずは100時間エイジングしてみる

時々試し聞きをしながら、まずは100時間をエイジングしてみました。
その結果、まずまず鳴るようになってきて、まあこんなものでエイジング完了かなと考えていたのですが…

どうしても上手く鳴らない曲を見つけてしまいました。

特にEGOISTさんの「Door」と、Tiaさんの「ニルバナ」は酷くて、もう鳴ってるとは言えないぐらいにノイズまみれみたいな状態です。Aimerさんの「六等星の夜」もちょっと鳴りにくいかなといったところ。どの曲も曲が悪いと言う訳では無くて、イヤホンが鳴りきってなくて息切れしてしまうような状態でした。

このランクのイヤホンだと、この程度かと残念に思ったのですが、試しに以前から持っていた「ZERO AUDIO WHITE TENORE」というイヤホンでも試してみると、やはり、これらの曲は鳴りにくい印象だったので、もう少しエイジングを続けてみる事にしてみました。

「ZERO AUDIO WHITE TENORE」はカナル型のイヤホンで、そんなに高い製品では有りませんが、値段の割に良く鳴るイヤホンかなとは思ってます。

もともと、意図的にノイズが入れられてるタイプ曲も有るのですが、ちょっとしたことで鳴らない事って有るものですね。

200時間エイジングしてみる

というわけで、もうちょっと良くなる可能性も有るなと思い直して、鳴りにくかった曲を中心にプレイリストを作ってエイジングを再開しました。試し聞きをしながらエイジングを続けましたが、150時間ぐらいではあまり変化が無く、こいつは駄目かも…と諦めそうになりましたが、200時間を超えた辺りから明らかに改善され始めました。

一番手こずったのはEGOISTさんの「Door」で、もう、この曲は諦めようかなって思ったぐらいです(笑)
アニメ「屍者の帝国」のテーマ曲には相応しいかもしれません…

結局エイジングしてみて2つのイヤホンはどうなったのか?

結果的には両イヤホンともに、凄く良くなったと思います。耳が疲れるような感じも無くなったし、やや控えめかもしれませんが、低音もそこそこ出るので、低音マニアでなければ我慢出来る程度には鳴るようになったのではないかと思います。私個人は、そんなに低音志向では無いので、十分満足しています。

手こずったのはEGOISTさんの「Door」も、演出上のノイズと合わせて、聞ける感じにはなってきました。

そんなこんなで、やっぱりエイジングはした方が良いというのが私の結論です。イヤホンのモデルやメーカーにもよりそうですが、最低でも100時間、出来れば200時間ぐらいはエイジングした方が良さそうです。レビューも、それぐらい使うか、エイジングしてから書いて欲しい気がします。

そして、これぐらいエイジングに時間を掛けると、そんなに高くないイヤホンでもちょっと愛着が出てきます。もう、鞄からイヤホンを出すときに、端っこ引っ張って引き出したりは出来ないはずです(笑)

エイジングを終えて2つのイヤホンの差は?

 1MORE Piston Pod EO320

1MORE Piston Pod EO320

値段差と性格付けの差もあるのか、Piston Pod EO320の方が音に派手さが有って、全体的に伸びや広がりが有ります。やや解像度は低い目と書きかけたのですが、引き続きエイジングをしていて、ふと聞いてみると音が変わってるじゃないですか…

Piston Pod EO320は、かなりエイジング時間をかけないと性能を引き出せないイヤホンなのかもしれません。

結果的に解像感はまずまず有るし、低音も鳴るし、パーカッションなんかも結構細かく鳴ってる気がします。オープンイヤータイプのイヤホンって低音が鳴らなくて、大人しい印象ですが、そうとも限らないんだなって再認識しました。値段の割には、かなり多才なイヤホンだなって思います。

Piston Pod EO320のハウジング中央には数ミリの穴が開けられていますが、この穴を指で塞いでみると音の広がりや低音など、結構音が変わります。塞いで聞くなんてことは無いですが、ちょっとした穴ですが、かなり効いてるんだなって実感できます。

 

Pai audio Audio Earbuds 3.14 FLAT

Pai audio Audio Earbuds 3.14 FLAT

一方で、PAI-FLATも悪くなく、FLATと名付けられているので、低音は全然駄目なのかと思いましたが、低音も鳴るし、オープンイヤーのイヤホンとしては割と派手めな音なのではないかと思います。ややそっけなく飾り気の無い音かなと思う人はスポンジを取り付けてみると低音が随分と改善されます。

両者ともにインピーダンス(抵抗値)が32Ωとやや低い目なので、PCなどに直接つないで使用する場合には、音量が大きくなりがちです。ヘッドホンアンプや、ボリュームコントローラーなどが有ると良いのかもしれませんが、安いイヤホンにそこまでするのも微妙なので、我慢の範囲でしょうか?

購入当初は、キンキンした音が鳴っていたのも有って、どちらのイヤホンも音を大きくして聞く気が起こりませんでしたが、エイジング200時間を過ぎて、音も丸くなってきたので、以前よりは音を大きくしても耳が疲れなくなったように思います。

イヤホンやヘッドホンにはボリュームを絞った時に急に音が悪くなる物が有りますが、どちらのイヤホンも比較的小さな音でも鳴らしやすいイヤホンなのではないかと思います。

実はスポンジ一つで結構音が変わる

最近はカナル型のイヤホンを使っている人が多いのも有って、イヤホンに被せるスポンジと言ってもピンとこない人も多いかもしれませんが、一昔前のイヤホンにはよく付いていた付属品でした。

このオマケぽいスポンジですが、肌への当たりを柔らかくしたり装着感を高めるだけのアイテムと思われがちですが、スポンジがイヤホンと耳の間に挟まって多少密閉感が高まるので低音が強化される効果も有ります。

もちろん、やや籠もった感じの音にもなるのでスポンジを被せるかどうかは本人の好みも有るし、オープンイヤータイプのイヤホンを選択してる人がそこまで低音を望むのかは怪しいところですが、もしイヤホンにこういった付属品が付いていたら、色々試して欲しいところです。

私は、スポンジ付けたり外したりして試し聞きした結果、「1MORE Piston Pod EO320」は低音もそこそこ鳴るのとスポンジ外した方が音がクリアな気がしたので、結局スポンジは無しで使用しています。

一方「PAI-FLAT」は、スポンジ無しだと素っ気ない感じがあるので、スポンジ被せた方が良いかもしれません。

1MORE Piston Pod EO320にはシリコン製の脱落防止ウイングが2種類付属していますが、イヤホンが小さいと感じる場合には安定感を増してくれます。イヤホンが落ちそうな感覚から開放されるので助かります。

PAI-FLAT付属品

PAI-FLATはスポンジが3セット付いてるので、取り替えながら使って欲しいということかもしれませね。

Piston Pod EO320付属品

Piston Pod EO320の説明書にシリカゲルと書かれていたけど、シリコン製よね?と思いながら付けている脱落防止用のイヤーウイングは大小二種類付属して使いやすいです。

装着感など

1MORE Piston Pod EO320の方は金属製なのも有って、スポンジを取り付けないと耳につけた時に冷っとするのは好みが分かれそうです。PAI-FLATも装着面の側が金属なので冷っとしますね。装着後は、徐々に体温で温められて慣れてくるのか、冷たさは感じなくなります。

両者とも夏は良さそうですが、執筆時(11月下旬)の室内でも冷たく感じる事があるので、氷点下になるような冬場に屋外で使用すると、冷たいんじゃないかと心配です。シャオミは北京の会社とのことですが、北京は冬寒くないのでしょうか?

また、両イヤホンとも、ハウジング部から下向きに突起が出て、そここからケーブルが出るデザインとなっています。イヤホンとしてはオーソドックスなデザインとも言えますが、最近はハウジングから直接ケーブルが出ているデザインのイヤホンも結構多くなっています。

この下向きの突起ですが、取り外し時に掴みやすく、有った方が良いのかもなと改めて感じました。appleのair Podsなんかもウドンなどと揶揄される下向きの突起が出ていますが、それなりに意味のあるデザインなのかもしれませんね。

オープンイヤー型なので、耳の大きさによっては少し異物感の有る人もいるかもしれませんが、カナル型には無い楽さが有って、久しぶりに試してみて良かったなとも思います。カナルイヤホン独特の接触音とも離れられそうです。

PAI-FLAT Piston Pod EO320

両イヤホンとも、ハウジングから棒状の突起が出ていますが、取り外し時に有った方が便利ですね。

PAI-FLAT

PAI-FLATはクリアボディーなのも有って、左右の表記が見にくいです。

今どきだからの電波干渉トラブルも発生する

いろいろ試し聞きをしていて気づいたのですが、1MORE Piston Pod EO320は、Bluetoothの電波を拾ってしまうのではないか?との疑いが有ります。

最初に気づいたのは、ソニーのBluetoothイヤホン・レシーバーのMDR-EX31BNのイヤホンジャックに挿してみたときでした。連続してプツプツプツとノイズが入って明らかにおかしかったのです。

これは、MDR-EX31BNと1MORE Piston Pod EO320の間に短いケーブルやプラグを挟むと解消されますが、MDR-EX31BNのときにはプラグの相性から発生するノイズかなとも思っていて、Bluetoothが原因とは思いませんでした。

ところが、角度や位置によってはbluetoothマウスの電波も拾ってしまう疑惑が有ります。一度だけ発生して、その後再現されていないので、確率としては低いのでしょうが、もうちょっと検証してみたいところです。

bluetoothマウスを常時使っている人は避けた方が良いイヤホンかもしれません。無線の機器が無い時代ならあまり問題にならなかったのかもしれませんが、ちょっと気になる点ですね。

Piston Pod EO320リモコン

Piston Pod EO320にはリモコンが付いてます。上下ボタンでボリューム。中央ボタン1回押しで再生/停止、2回押しで送り、3回押しで巻き戻し。私の持ってるAndroidスマホでは巻き戻しは上手くいかないので対応してないのかもしれません。どちらにしても3回押しはちょっと使いにくいそう…

まとめ

どんなイヤホン・ヘッドホンを買うにしろ、やっぱり最初はエイジングをお勧めします。ちょっと音が悪くても我慢出来るなら、聴きながらエイジングを進めても良いですし、寝てる間リピートで音楽鳴らしておくのも良いでしょう。

音の大きさは試行中ですが、普段聞く音よりもやや大きい程度で、最低でも100時間。出来れば200~300時間ぐらいエイジングすれば、かなり音も変わってくると思います。

今回レビューしたイヤホンはどちらも、2000~4000円のそれほど高いイヤホンでは有りませんが、一昔前にオマケで付いてたイヤホンなんかとはレベルが違うし、もっと高い機種でも、出来の悪いのも有るのではないでしょうか?

全ての製品に言えることですが、昔ながらの安かろう悪かろうな製品が通用しなくなってきてる感じは有るので、国産の低価格機なんかは、今後どうなってしまうのか、ちょっと心配になりますね。

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