心拍トレーニングはなかなかハードルが高いものでしたが近年デバイスの性能がよくなってきたものあり、腕時計型のデバイスで計測が容易になって難しいイメージが一変しつつあります。
単に根性でひたすらキツいランニングをする従来のトレーニングとは違い、心拍トレーニングでは目的にあわせた心拍数や時間でトレーニング時間を管理することで、効率的にトレーニングができるだけでなくモチベーションアップにつながります。
この記事では「Polar Ignaite」を購入したので心拍計、睡眠管理、着信通知など徹底解説していきますが、レビューの前に、簡単にPoral(ポラール)との出会いからご紹介していきましょう。
このページの目次
- 1 Polar(ポラール)との出会い
- 2 買い替え候補「VantageM」VS「Ignaite」 ボタン操作かタッチ操作か
- 3 開封してペアリングして使用開始!Ignaiteのインターフェイスについて…
- 4 つけ心地は丸い時計形のIgnaiteに一理あり
- 5 さっそくPoral Ignaiteで走ってみる!
- 6 トレーニングの間隔やタイミングの管理が意外と楽しい
- 7 普段使いする中でPolarの着信通知は中々快適です
- 8 Polar Ignaiteの睡眠管理はどうか?Fitbit Charge3とも比較
- 9 Polar Ignaiteの稼働時間
- 10 当たり前だが心拍トレーニングがメインのPolarとアクティブトラッカーとは性格が違う!
Polar(ポラール)との出会い
家族がたまたま購入したGPS 心拍計測機能付きのスポーツウォッチのPolar(ポラール)が羨ましくてRC3を2013年の12月に購入しました。
Polarは日本では比較的馴染みが無いメーカーかもしれませんが、心拍計付きのスポーツウォッチの業界では老舗と言えるメーカーです。フィンランドのメーカーなので、何と読んだら良いのやらって感じも有りますが、逆に印象に残るメーカー名でも有ります。
その後、Polar RC3を装着して走ること6年。ジョギング中の身体の状態を数値化出来る面白さや、自動で計測結果を保存してくれる便利さも有って、すっかりジョギングを習慣に出来ました。もちろん、走ったコースもGPSを使って地図上に記録してくれるので、後から見た時もどこを走った時の記録なのか直ぐに分かります。
6年間で走った距離は6140km。もっと走る人は多いのでしょうが、小中高での体育の成績が、ずっと2で持久走なんかも大の苦手だった私にとっては快挙と言える結果ではないかと思っています(笑)
未だにフルマラソンに挑戦したりは無理ですが、タイムと距離中心に展開される授業でのスポーツと、心拍トレーニングには大きな違いがありました。心拍トレーニングの場合は自分の身体能力に合わせてトレーニング出来るので、比較的無理なくトレーニング出来るのが新鮮で、え!こんなスポーツの価値観が有ったのかと驚いた覚えが有ります。
というわけで、RC3は私の人生の中でも革命的なガジェット。ジョギングを習慣化出来てなかったら、もうちょっと年齢的な衰えを感じていたかもしれません。
しかしまさかのPolar パーソナルトレーナー サービス終了で買い替え…
そんなこんなで大恩有るRC3なのですが、対応しているWebサービス「Polar パーソナルトレーナー」が2019年末で終了して「POLAR flow」に移行することになりました。RC3もPOLAR flowに対応していると良かったのですが、対応していないようなので、データをPOLAR flowに転送して時計の買い替えが必要になってしまったのです。
時計本体の調子が良いので、何それ…って感じではありますが、ジョギングのデータを引き継ぎたいのも有って、新しいWebサービスPOLAR flowに対応した機種に買い換える事にしました。もちろん、RC3を6年間使って浸水などのトラブルが無かった信頼感も同じメーカーで買い替えを選んだ理由になっています。
使用頻度の問題も有るかもしれませんが、バッテリーの劣化も少なく、目に見えて使用時間が短くなるなんて事も有りませんでした。バンドも一度も切れてません。
という訳で、Poralの時計から選択することは、だいぶ前から決めていたのですが、2019年に入ってからパタパタっと新機種が登場したのも嬉しい流れでした。
買い替え候補「VantageM」VS「Ignaite」 ボタン操作かタッチ操作か
さて買い替えの選択肢としては、「VantageM」と「Ignaite」 。上級機のVantage Vは値段的に真剣にスポーツやってる人でないと、手が出にくく私の場合初めから選択肢には入れていませんが、そのような方は逆にVantageV一択でしょうね。
2019年10月の価格はVantageMが4万前後、Ignaiteが3万前後と1万円程度の差が有ります。
何が違うかというとボタン操作に対応した中級機がVantageMで、タッチ操作がメインなのがIgnaiteです。
Ignaiteには、戻るボタンが一つ付いているだけで、上下左右のスワイプとタップで操作を行うタイプです。Fitbit Charge3など、この手のアクティブトラッカーなどでは良くある操作方法と言えるでしょう。
ちなみに、タッチ操作の方が良いんじゃないの?って思われるかもしれませんが、走りながら操作するときには揺れてるのも有って、ボタンの方が操作が確実な場合が有ります。VantageMはIgnaiteよりも少し前に出たモデルでは有りますが、旧式な訳では無くて、それなりに理由が有ってボタン操作と見たほうが良いでしょう。
どちらの機種にするかはチョット悩んだのですが、1万円の差が有ったのと、タッチ操作は信号か何かで立ち止まったときにすることにして、Ignaiteを選択することにしました。
VantageMには、Ignaiteには無い色もラインナップされているので、財布に余裕がある人は、その辺りも考慮に入れてみても良いかもしれませんね。
ちなみに、この前「Fitbit Charge3」買ってませんでした?ってツッコミも有りそうですが、ジョギング用はPolarと決めていたのでWebサービスが終了する年末までにはPoralの時計を買う予定でした。
Fitbit Charge3は強力な睡眠管理機能を持ったアクティブトラッカーなので、その辺りの棲み分けも含めてレビューしていきたいと思っています!
開封してペアリングして使用開始!Ignaiteのインターフェイスについて…
最近のこの手のガジェット全般の傾向ですが、Ignaiteにも簡単な取説しか付いていません。スマホやPCとの接続さえ出来れば、後は何となく分かってくる部分も多いのですが、時計本体の操作がやや分かりにくいのが曲者な気がします。
私はスマホのアプリを入れてペアリングして使い始めましたが、PCとスマホアプリで表示出来る項目が違ったり、PCの方が操作しやすい場合もあるので、PCのWeb版サービスも並行して使うと良いかと思います。
ペアリング後の設定項目は、拍子抜けするほど少なく、やや心配になるほどですが、特に問題なく進みます。
ただ、ネット上のオンラインマニュアルも軽く目を通しておいた方が、美味しい機能の取りこぼしが無くて良いかもしれませんね。
私も、あれ、Ignaiteになってから時計本体で過去の記録見られなく成っちゃったのかな?とか思っていたのですが、実はアクティビティの項目で画面をタップすると見れたりとか、左右で項目を選択してタップなどは、やや不親切な印象です。
恐らく、走っている途中で不意に画面が切り替わらないようにする配慮ではないかと思っていますが、運が悪い人なら、ずっと長期間に渡って操作の仕方が分からず、機能を使えないままだったりしそうです。
後述しますが、トレーニング中の常時表示モードなどは非常に便利ですが、うっかり知らないまま使ってたなんて人もいるのではないかと思います。とりあえず、手にしたら色々やってみろって事なのでしょうが、あまり細かな事に一々腹を立てていては使えないのが、この手のガジェットの特徴かもしれません。
つけ心地は丸い時計形のIgnaiteに一理あり
スマホなどと違って、スマートウォッチやアクティブトラッカーなどウエアラブル機器は肌に直接接して使うので、つけ心地なども大事だなと実感させられました。やや斬新なデザインなのはFitbit Charge3のような腕輪形とも言えるようなタイプですが、実際に両者を同時に腕に付けてみると、従来型の時計に近いデザインのIgniteの方がつけ心地が良いようです。
細かな点では、本体が丸みを帯びていいる方が服の袖にスルッと入り込む利点もあって、袖と時計が干渉する違和感が少ないようでした。
時計には様々なデザインの物が有りますが、一般的に主流なデザインとして丸くて薄い円盤状に一理有るんだなとプロダクトデザインの手ほどきを受けた気がしました。
何となく伝統的な形態というのは古臭いイメージも纏ってはいますが、無闇に変えるだけが最善の方法では無いんですね。
個人的にはFitbit Charge3のようなデザインでも更に形態を洗練させて、旧来型の時計と変わらない使用感を実現して欲しい物だなと思います。
さっそくPoral Ignaiteで走ってみる!
実際に走ってみると、タッチ操作である不便さはあまり気になりませんでした。Fitbit Charge3で、時計型デバイスのタッチ操作に慣れてしまっているのも有りますが、反応が悪いなんてこともなく、ボタン式よりも直感的なので、一瞬操作の仕方を考えるなんて事もなさそうです。
タッチ操作では、常時画面を触るのもあり、画面が汚れやすいのが弱点ですが、1万円安かったので良しとするべきなんでしょうね。やや電池の減りが早い気はしますが、この手のスマートウォッチは比較的頻繁に充電が必要かなと思うので、多少諦めも必要でしょう。
デフォルトでは手を動かしてセンサーが反応したときだけ画面が表示されます。また、Igniteのセンサーは手首をクルッと回しても反応しないようで、どちらかと言えば上下動に反応するようです。
腕を下げていた状態からスッと上げて、腕時計を見るポーズで一瞬腕を止めると画面が表示される感じです。やや面倒そうですが、少し慣れてしまうと、ほぼ100%点灯させられるようになりますので心配は要らないでしょう。
またボタンを押すことでもバックライトを点灯出来ます。
常時点灯モードが便利
ここで困るのがトレーニング中の心拍数確認です。一定の心拍数の幅で走ろうとすると結構頻繁に時計を見たくなるのですが、そのたびに腕を上げ下げしたり、ボタンを押して画面を表示させるのは、意外とストレスが溜まります。
実は、Ignaiteには常時表示モードが無いとばかり思っていたのですが、トレーニング中は常時表示モードが搭載されているのです。ジョギング中など、カラーの見やすい表示で心拍数を常時確認出来るので、ジョギングが少し楽しくなりました。心拍トレーニングが捗ります。
トレーニング中の常時点灯モードの呼び出し方動画も参考にしてください。
トレーニングの間隔やタイミングの管理が意外と楽しい
トレーニングを始めると意外と難しいのがどのぐらいの間隔でトレーニングをすれば良いのかという事。適当に1日おきとか2日おきに定期的に走るなんてのも悪くないのですが、負荷を徐々に増やした場合に疲労と休息の間隔を把握するのは意外と難しいなと思います。
Poralでは以前から疲労の度合いを判定するサービスが有りましたが、「Poral Flow」にも同様のサービスがあり、それは「カーディオ負荷レポート」という機能になります。
さらに、PolarFlowには練習メニューを自動作成するランニングプログラム機能があります。この練習メニューは一度作成すると、ダイヤリーに記録されるので、カーディオ負荷レポートと組み合わせてトレーニングを進めて行っても良いわけです。
練習メニューとズレたからと言って怒られる訳では有りませんので、予定通りトレーニングが出来なかった場合も、どうやってリカバリーするかな?なんて考えてみると中々楽しいですよ。
ちなみに、事前にトレーニングメニューを考えておくと、トレーニング中の心拍数や時間の管理をしてくれるので、走ることだけに意識を集中出来る利点も有ります。機械に管理されてトレーニングするなんんて真っ平ごめん!なんて人もいるかもしれませんので、柔軟に機能は使えば良いとは思いますが、非常に便利な機能なので、一度試してみて下さい。
ウォームアップ10分、ゾーン3 35分 クールダウン10分のミディアムランの例。事前に予定を立てておくと、トレーニングを始める時にプログラムに従って走るか?を聞いてきます。走っている間、ゾーンから出てしまうとバイブで知らせてくれるので便利です。オリジナルのトレーニングメニューも作成出来ます。
事前に入力しておいたトレーニングメニューはIgnite本体からタッチ操作で開始します。
トレーニングメニューに従って走っている時は、表示が専用のモードになります。保つべき心拍ゾーンの範囲と残り時間だけが表示されるので、ペースなど余計な情報に惑わされることが有りません。
トレーニングを終了する場合は、ボタンを長押しです。
意識して、定められた心拍ゾーンの範囲内で走ってみました。心拍数を低く抑えるゾーン2で走り続けるのは難しいですね。
ちなみに心拍センサーの精度については長くなりそうなので別記事でご紹介しますが、アスリートレベルの追従精度を求めない限りは腕時計型の心拍センサーでも十分だと思います。
普段使いする中でPolarの着信通知は中々快適です
実はPolarの着信通知機能などについては、あまり期待せずに購入しました。何だよそれって思うかもしれないですが、Polarってそういうの苦手そうだし、着信通知なんかは不安定で届かないなんてのは普通なんじゃないかと考えていたのですが…
この点に関しては完全に誤解で、思いの外確実に着信通知を送ってくるのです。しかもFitbit Charge3よりも画面が大きいのでメッセージも読みやすく文字化けが少ないのも好印象でした。
着信通知の設定は少し変わっていて、一般的には通知して欲しいアプリをリストから選ぶタイプが多いのでは無いかと思うのですが、Polarのアプリでは最初はリストに何も表示されず、一回でも通知が有ったアプリだけがリストアップされていきます。この中から、通知が不要なものだけをブロックしていく仕組みなのです。
最初リストが何も表示されない状態でスタートするので、やや不安ですが、どのアプリも一度は通知が表示されるので、どんな感じで通知されるのか分からないまま、通知されない設定にしてしまう事は無く、中々面白い仕組みだなと感じました。
個人的には、好感の持てる設定方法だなと思います。
ちなみに、現状分かっている問題点としてLINEの通知が二重に届いてしまう問題が有ります。ヒョットすると設定上の問題なのかもしれませんが、中々、この手のガジェット扱いが難しいなと思います。
Polar Ignaiteの睡眠管理はどうか?Fitbit Charge3とも比較
IgnaiteにはRC3と違って睡眠管理などの機能も搭載されています。
実際使ってみると、着信通知はIgnaiteの方が見やすく、睡眠管理も有るので、おっ!これはIgniteで全部行けるのでは?と思ったのですが…
Ignaiteで全部行ければ、それはそれで良かったのですが、ベッドに入っても睡眠開始と判定されなかったり、実際にベッドに入った時間より早く睡眠開始と記録されていたなんて事も稀に有り、睡眠管理や記録に関してはFitbit Charge3の方が正確なようです。
また、睡眠時間が短かった日は記録されないのもPolarの睡眠管理の特徴です。睡眠の状態が悪かったのは自覚が有ったりしますが、記録さえされてないのは、ちょっとイラッとしますね。この辺りはFitbitに圧倒的に軍配が上がりそうです。餅は餅屋と言ったところかもしれません。
他にも、Fitbitは割と簡単に褒めてくれますが、アスリートも使うPolarのアプリは全体的に辛口な印象です。
睡眠に関する機能では有りませんが、Fitbitでは1日の歩数が目標を達成したら花火が上がるアニメが表示されたり、とりあえず盛り上げる感じです。これに対してPolarの時計やアプリにはそういう演出は一切無いので、やや素っ気ない感じがします。
Polarの場合、寝るのもトレーニングの内だから、頑張って寝なきゃ感が漂っているので、趣味でスポーツやってる人は割り引いて考える必要が有るかもしれません。
睡眠開始時間や起床時間に関してもFitbit Charge3が予定通り!なんて褒めてくれるのに対して、Polarは何にも無いので、自分である程度判断する必要があったりします。
Polarのスマホ版アプリには、Nighty Rechargeという回復度を表示する機能が付いてます。その中に自律神経ステータスという表示があります。夜間、自律神経がどれだけ沈静したかを表示する機能です。
使用を初めて一ヶ月ほどしたある日のこと、夜中Lineの通知が有ったような気がしたけど、実は無かったなんて事が有りました。その日は、家族とのトラブルも有ったりして気分が高ぶっていたのかもしれませんが、記録はバッチリ悪く0を挟んで+-10段階評価で-7.3なんて点数を付けられたのです。
使用者の事情を知らないハズの機械に、生活を見透かされた感じがしてドキッとしましたが、心拍計測からも色々な情報が引き出せるという例かもしれません。
その日はトレーニングを軽めにするようにとのアドバイスになっていました。ドキッとする一方で、回復が十分でなかったり、体調が悪いかもしれない日を事前に教えてくれるというのは気が利いているなと思います。
ただ、全体的にこれについてはFitbit Charge3を持ってるので、普段遣いや、睡眠管理、着信通知に関してはCharge3に任せてIgnaiteはスポーツウォッチとして主に使おうかな?とも思っていました。
Polar Ignaiteの稼働時間
ジョギング1時間程度とウオーキング2時間程度をトレーニングモード使用すると、丸2日で残り18%の電池残量となりました。毎日なにかしらのトレーニングを行う人の場合2日半ぐらいで電池が無くなるのではないかと思います。競技時間が長い種目を楽しむ人や、トレーニング時間が長い人、2日で電池が切れるのが嫌な人は、電池容量が多いVantageMなど上位モデルを検討してみても良いかもしれません。
とは言え、多くの人にとっては十分な電池容量なのでは?と思います。
当たり前だが心拍トレーニングがメインのPolarとアクティブトラッカーとは性格が違う!
もともと、有酸素運動向けのガジェットとして出発しているPolarも時代の変化に合わせてアクティブトラッカー的な機能も搭載してきている印象ですが、この辺りは得意不得手が有るようです。ジョギングやランニングにはPolarの方が向いている感じでしょう。逆にウオーキングなんかで使うにはPolarはオーバースペックです。
心拍計に時計やGPS機能などを搭載した感じのPolarに対して、Fitbitの時計は進化して心拍計まで搭載した万歩計と言えるかもしれません。最終的に同じ機能になってしまえば、出発点がどうあれ同じとも言えますが、やっぱり細かな点で得意な点や重点を置いている点が違うなと意識せざるを得ません。
IgnoreはRC3の時と比べると格段に進歩して使いやすくなっているのは間違いないので、心拍トレーニングを考えている人なら選択肢としてPolarも加えてみて欲しいなと思います。心拍トレーニングしたことないという人も、この記事をきっかけに挑戦してみてください。
購入時はバンドの長さがM/LとSサイズの2サイズになっています。バンドの長さにも気をつけてください。時期によっては限定色が設定されている場合も有ります。