AV機器って成熟した業界なのも有って、最近はあまり新しいジャンルの製品が出てきにくい感じですが、首の周りの肩に乗せて使うUの字型のネックスピーカーは、久しぶりに見る新しいタイプの製品で興味をもっていました。
現在このジャンルの製品はBOSE(SoundWear Companion speaker)、JBL(SoundGear BTA)、SONY(SRS-WS1)の三択で、SONYの製品は振動したり面白い機能も搭載しているのがウケたのか品薄なようです。>現在はSONYも在庫復活しています
たまたま訪れた家電量販店に「Bose SoundWear Companion speaker」と「JBL SoundGear BTA」が展示されていたので、試聴させていただきました。
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「Bose SoundWear Companion speaker」と「JBL SoundGear BTA」を試聴してみる
確かに、ヘッドホンともスピーカーとも違う新しい製品で、ヘッドホンの持つ圧迫感も無く、耳を覆ってないので暑くもなく、コードレスだから動きの成約が無いのは好感触。
音は好みはJBL SoundGear のほう。 Bose SoundWear は中央部が可動するので、口を拡げて装着出来るのが良いなと感じました。
また、JBL SoundGearはBluetoothトランスミッターもついてくるので、有線の機器でもそのまま使えます。
しかし一方で音質はどちらの製品も何となく音が抜けてしまう感じで、驚くほどの高音質といった印象は有りませんでした。
レビューなどを見ているとかなり高音質なんて書いてあったのも有って、期待値が高すぎたのかもしれません。
体験したことがないタイプの聞こえ方だなとは感じたので、私は値段の割にイマイチと感じたけど、私が感じた不思議な聞こえ方を好感触な音と捉える人もいるのかもしれません。
ネックスピーカーはどんな人向け?
総合的に考えて、このタイプの製品は高音質を求めて買う物ではなくて、ヘッドホンやスピーカーには無い製品を求めている人向けなんだろうなって感じがします。
具体的に考えれば
- 家族や隣人に迷惑をかけずに、自分だけで音を楽しみたい
- 自分だけで音を楽しみたいけど、ヘッドホンやイヤホンは接触感や圧迫感が嫌い
- 周囲の音にも気を付けながら音を楽しみたい
2番めのヘッドホンやイヤホンなど、耳を塞ぐタイプの機器が嫌いな人は一定数いるとは思います。
「骨伝導イヤホン」などと用途が似ているのかな?とも思いますが、耳を完全に塞いでしまうと自然な聞こえ方とは違うのも有って、耳が疲れるなんて感じる人は多いのではないかと思います。
骨伝導イヤホンも以前と比べれば普通に近い感じで鳴るものも出てきていますが、依然として低音があまり鳴らないなど癖の強いAV機器なので、もう少し普通に音を楽しみたいといったところでしょうか。
行き着くところは、スピーカーとイヤホンの中間的な感じで、よく言えば良いとこ取り、悪く言えばどっちつかず…
新しいジャンルの製品を生み出すのって難しいものなんだなって実感します。
今回、ネックスピーカーに期待していたのも有って、思いのほかちょっと残念な感じでした。
出来れば、どうしても買いたい!って思えるような体験を期待したのですが、ちょっと期待値が高すぎたのかもしれません。
今回試せなかったですが、もしかするとSONYの「SRS-WS1」ならもっと良いのかもしれません。…定価は25,000円ほどらしいので、今のところお値段は倍しますが。(現在は在庫が復活したようで適正価格に戻っています。)
音を求めるなら多くの人にとっては今のところ2~3万円のヘッドホンかスピーカーの方がお勧め
ちなみに同じ2~3万でヘッドホンを買えばハイレゾ対応のまずまずの性能の製品を買えます。
スピーカーの場合は、ヘッドホンよりも値段が高くなるので、2~3万では満足出来ない人も多いかもしれませんが、それでも、そこそこの製品を買えるのではないかなって思います。
ただ、いずれも先述の耳を覆うという問題や、聞く人や場所は固定されるという問題があります。
360°全方位再生スピーカーという選択肢も
ヘッドホンやイヤホンの接触感や圧迫感が嫌い、聞く場所を選びたくないということならば、また変わった製品でBOSEの「SoundLink Revolve」や、上位版の「SoundLink Revolve+」はモノラルのスピーカーですが360°全方位再生スピーカーということで、改まって音楽を聞くのでなければ面白い聞こえ方をするスピーカーです。
防水スピーカーの「SoundLink Micro」なんかも面白そうですね。海や川辺など屋外でのBBQやパーティで使うのに良さそうです。
もちろん、周囲への音については解決しませんが…。
肝心のネックスピーカーについてはちょっと辛口な感じにはなってしまいました。
ただ、AV機器も成熟が進んで、むやみに外の音を遮断したり、高音質を突き詰めれば良いなんて分かりやすい時代でも無いので、イヤホンでもスピーカーでも無く、持ち運びも手軽で、必要に応じて外の音も聞こえるような、都合の良いデバイスは今後も登場し続けて欲しいなって思っています。