昨今は自転車弱虫ペダルのアニメ化などの影響もあって、ロードレーサーなどスポーツ系の自転車が人気のようです。
しかし一方で「自転車は楽しそうだけどあまりガチスポーツ系はちょっとね…」とか、「高い自転車は盗難が怖い…」と敬遠している人も多いのではないでしょうか。
そんな人に目を向けてほしいのが、お手軽だけど少しマニアックで、ちょうどよい楽しさのある『折りたたみ自転車(フォールディングバイク)』です。
そんなわけで、今回は自転車初心者にもおすすめの、楽しい折りたたみ自転車をご紹介したいと思います。
このページの目次
まず、安い折りたたみ自転車に注意!
折りたたみ自転車というと「あぁ、あのおもちゃみたいなやつね…」と想像された方もいるでしょう。実際に街で見かける折りたたみ自転車の中には、いかにも安っぽくて実用性の薄そうなものも結構ありますよね。こういうダメ折りたたみ自転車には要注意です。ホームセンターとかで1万円くらいで売られているような自転車がそれです。
これらの激安メーカーの折りたたみ自転車は、見た目だけそれっぽい安物で、重くて扱いづらくて折りたたみもしづらく、しかも頑張ってペダルを踏んでもちっとも走らないという、いい所が全く無い代物です。
それに折りたたみの可動パーツが安く作られていたりすると、耐久性や安全の面でもかなり不安ですよね。安いから初心者向けとは、決して言えません。(というか初心者じゃなくてもおすすめできません)こんな製品を最初に買ってしまったら、きっと折りたたみ自転車のことを嫌いになってしまうと思います。
その点ちゃんとしたメーカーの自転車に触れてもらえれば、作りの良さや様々な工夫、性能が実感できると思います。折りたたみ自転車の楽しさや快適さは、一度実感してみればきっとドハマりすること間違いなしです。
折りたたみ自転車の特徴
まず折りたたみ自転車にはどんな特徴があるかをご紹介します。
折りたためる!
折りたたみ自転車は、折りたためます。
はい、当たり前なんですが、これが結構すごいことなんです。
折りたたんだ自転車はそこそこ小さくなるので、自動車(バンとかじゃなく普通のセダンでも)の荷室にも積み込めるし、カバーや輪行バッグを被せればバスや電車などの交通機関でも「手荷物」として持ち込むことができます。
つまり遊びに出かけるとき、行き帰りは車や電車で移動して、走りたい所だけを自転車で走れるということです。
自転車を楽しめる範囲が自宅周辺から一気に広がるのです。
また、折りたたんだ自転車は自宅や宿泊先の室内にも持ち込めます。
普通の自転車を屋内に持ち込むのはちょっと大変ですが、折りたたんで荷物として持ち運べるサイズなら、大抵の建物では問題ないはずです。
屋外で保管しなくてもいいというだけで、盗難のリスクはぐっと下がると思います。
高いお金を出して買った大事な自転車ですから、たとえカギを厳重にかけていても目の届かないところに保管しておくのはとても不安です。
この盗難の不安が減らせるというのは、大きなメリットになると思います。
変形(折りたたみ)機構にときめく
また折りたたみの話ですが、折りたたみ自転車は折りたたむためのギミックが必須です。
その折りたたみの構造はメーカーごとに多種多様で、それぞれに非常によく考えて作られています。
限られた条件の中でこだわりとアイデアを集約した設計からは、技術者魂がひしひしと感じ取れるはずです。
そういうのが好きな人は、結構多いんじゃないでしょうか。
タイヤが小さい
これは折りたたみ自転車だけの利点ではないですが、折りたたみ自転車は大抵が小径車、つまりタイヤが小さい設計になっています。
小さいタイヤの自転車(ミニベロとも呼ぶ)は、転がり抵抗が少ないため漕ぎだしが軽く、一旦停止の多い街乗りには向いているといわれています。
しかしタイヤが小さい分、段差には弱いという面もありますので、走る場所によってはちょっと辛い所もあります。
一方で小さいサイズの自転車は見た目の圧迫感が少なく、どちらかというとかわいい印象ですので、おしゃれで気負わない雰囲気があります。
普通の自転車とは一味違うデザインによって、少し生活スタイルの見え方変化したり、行動範囲が広がったりすることで、ちょっとした普段の日常が楽しくなるはずです。
ロードバイクほどは速くないけどそこそこ速い
タイヤが小さいとスピードが出ないんじゃないの?と心配する人もいるかと思います。
確かにスピードの面では、タイヤサイズ、重量など理由はありますが、ロードバイクほどには速く走れません。
自転車好きの場合、速さが一番大事という人もいると思いますが、折りたたみ自転車はそこまでスピードを重視しない人向けだと思います。
というかスピード重視の自転車選びとなると、もうあまり初心者向けな乗り物という感じではなくなりますが……。
とはいえ、折りたたみ自転車にもそこそこスポーティなモデルは多く、実はクロスバイクなどと同程度かそれ以上に十分速く走れます。
タイヤが小さくても結局進む距離はギヤ比次第で、ペダルの回転数あたりの移動距離で計算すると、タイヤサイズの小ささは実際はそれほどのネックにはならないようです。
折りたたみ自転車はちょっとお高い
楽しくて快適な質の良い折りたたみ自転車となると、やっぱりお値段も高くなります。
具体的には、5万円~20万円くらいのイメージです。
確かに5万円、10万円をポンと出すには一大決心が必要ですが、効率の良い折りたたみ機構の設計やデザイン、剛性のための素材などにしっかりお金がかかってますので、実際に自転車に触れてみればその魅力は十分に実感できるはずです。
また、最初にも書きましたが、数千円~2万円以下くらいの激安モデルは買わないようにご注意ください。
「折りたたみ自転車なんてダメだよ、全然使えないよ」と言ってる人は、きっと過去に安モデルに騙されたことがあるんじゃないかなーと思います。
OEMブランドが多い
さあ自転車を買おうと思って調べてみると、折りたたみ自転車だけに限ってもかなり沢山のメーカーがあって、一体どれを選べばいいのやら…と困ってしまいます。
しかし実は多くのメーカーは自社でゼロから自転車を開発しているわけではなく、OEMの商品を販売しているのです。
例えば、いわゆる自動車メーカーのロゴがついた折りたたみ自転車って、よく見かけますよね。
これは自動車メーカーのブランドネームを別の自転車販売会社が借り受けて、さらに折りたたみ自転車メーカーから買ったフレームにロゴを入れて自動車メーカーブランド商品として売っていたります。
折りたたみ自転車は専門メーカー以外での商品開発がなかなか難しいようで、それよりは既存モデルの名前を変えてブランドイメージで売るのが楽なんでしょうね。
もしブランドではなく性能や道具としての良さを楽しみたいと思う人なら、ひとまずこういった商品は選ばなくていいんじゃないかな……と思います。
中には素材面やパーツの組み合わせなどに工夫を凝らしているモデルもありますが、基本的には自動車メーカー自体へのこだわりが強い人(そのメーカーのオーナーとか)向けかなーという感じですね。
確かに、おしゃれな自動車メーカーのブランドイメージにはつい惹かれちゃいますけどね……。
おすすめの折りたたみ自転車メーカー
「それじゃあ信頼できるメーカーってどこだよ?」という方に、ユーザーから評価の高いおすすめメーカーをご紹介しましょう。
DAHON
ダホンはアメリカの折りたたみ自転車専門メーカーです。David Hon氏が創業したのでDAHON(ダホン)。
現在の多くの折りたたみ自転車の定番ともいうべきスタイルで、他メーカーにもDAHONの技術がたくさん使用されているそうです。
自動車メーカーのルノーやフィアットなども、DAHONのOEM自転車を販売しています。
全体にお高めの折りたたみ自転車の中では比較的価格が安めで、入門モデルだと3万円くらいから手に入ります。
価格はお手軽ですが、ホイールベースが長めな設計のモデルが多く、安定していてよく走ります。
また、折りたたみ機構がレバー式で超簡単なのも良い所で、折りたたみ作業にかかる時間は20~30秒程度。
折りたたみ時にマグネットパーツで固定して、畳んだ車体が開かないなど、細かいところにも気配りの設計がされています。
こだわる人向けには20万円くらいの上位モデルまで、たくさんのラインナップが用意されていて、DAHONから選んでおけば安心という感があります。
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BROMPTON
BROMPTON(ブロンプトン)はイギリスのメーカーで、職人の手作り生産が売りの高級メーカー。
非常に完成度の高い折りたたみ機構で、畳むとものすごくコンパクトになります。
折りたたみ作業にかかる時間も20~30秒程度。
デザインも洗練されているので、とてもおしゃれ度が高い自転車です。
ブロンプトンは自社工場をイギリスに持ち、すべての製品をイギリス国内で生産しているそうですが、そのせいもあってなかなかのお値段となっています。
モデルラインナップはほぼ一車種ですが、ハンドル形状や変速機のバリエーションがあり、価格は18万~22万円くらい。
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R&M
R&M(リーズ&ミュラー)はその名の通り、ドイツのマーカス・リーズ氏とハイコ・ミュラー氏が作ったブランドです。
以前、日本国内ではBD-1という名前で販売されていましたが、現在は本家と同じ名前の「birdy」で販売されています。
独創的な前後サスペンション+折りたたみ機構、20秒程度で折りたためる唯一無二の独自設計で、まさにドイツデザインという感じ。
乗り心地もよく非常に評価が高いです。
クラシックモデルで15万円とそこそこの値段ですが、このクラシックモデルのモノコックフレームのごつさが、またとてもかっこいいです。
新モデルは、基本構造は大きく変わりませんがフレームバランスや形状が洗練され、重量も軽くなっているそうです。
とにかくかっこいい、筆者もとても欲しいです。
モデルラインナップは15万~30万円くらい。
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KHS
アメリカのブランドでMTBやロードバイクを製造しており、レースサポートにも積極的です。
スポーティーで走りが良いブランドのイメージで、折りたたみ自転車界隈ではちょっとした憧れのメーカー感があります。
中位モデル以上はブルホーンハンドルを標準にしていて、乗車姿勢はロードバイク的な印象。
クロモリ(クロムモリブデン)フレームにこだわっていて、リアのフレームのしなりを利用した独自のソフトテール機構によって乗り心地と接地感の高い走りを両立しています。
また、ハンドル部を折りたたみではなく取り外し式にすることで、畳んだ時のコンパクト化を図っています。
モデルラインナップの価格帯は6万~21万円くらい。
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BRIDGESTONE(ブリヂストン)
BRIDGESTONE(ブリヂストン)は世界の大手タイヤメーカーですが、その関連会社であるブリヂストンサイクル株式会社は通勤通学等の実用自転車から、競技使用のアンカーブランドまで、幅広いラインナップの総合自転車メーカーです。
いかにも安心の日本製という印象で安全性が高く、派手さはないものの作りがしっかりしているという印象です。
折りたたみ自転車のラインナップでは、26インチの名車的モデル「トランジットスポーツ」、18インチの手軽なモデル「スニーカーライト」、スポーティな20インチのエントリーモデル「シルヴァ」、気軽な日常使いモデルの「マークローザ」などがあります。
価格帯は3万5千~10万円くらい。
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またブリジストンといえば、正確には折りたたみ自転車ではないのですが「ブリジストンモールトン」という特殊な高級モデルが存在します。
これは小径車業界においては伝説的なアレックスモールトン博士とのコラボ製品です。
こういう妙に幅広い選択肢があるところも、日本メーカーらしいモノづくりかなーと感じます。
ブリジストンモールトンの価格帯は17万~21万円くらい。
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Panasonic(パナソニック)
国産の家電メーカーであるパナソニックも自転車メーカーとして折りたたみ自転車をラインナップしています。
中でも家電メーカーの技術力を生かした電動アシスト折りたたみ自転車、OFFTime(オフタイム)が注目。
電動アシストならではの機動性は大きな利点ですが、重量が20㎏と持ち運びには厳しいところ。
車に積んで運んだり、屋内に保管できるなどの点で、折りたたみの便利さを発揮しそうです。
メーカー希望小売価格は12万7千円。
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他のモデルだと14インチタイヤのトレンクルは、折りたたむとコインロッカーに入るサイズの小さなモデルで、6.9kgという超軽量なのですが、メーカー希望小売価格は27万5千円となかなかのお値段。
チタンフレームやカーボンフォークなど、各部こだわりのパーツで作られているとのことです。
家電ではなじみ深いパナソニックも、折りたたみ自転車メーカーとしてはなかなかに尖がった特徴のあるメーカーです。
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その他、独自路線モデルなど
以上のような定番メーカーの他にも、折りたたみ自転車には変わったメーカーや独自の路線を持つモデル、メーカーが沢山あります。
STRiDA
三角形フレームのコンパクト折りたたみ自転車、STRiDA(ストライダ)。
イギリス生まれのこのユニークな自転車は通常の折りたたみ自転車とは大きく異なる設計で、折りたたんだ後は縦長の一輪車のような状態になり、スーツケースのように車輪を転がしながら移動ができます。
およそ普通の自転車とは大きく異なるため、乗り心地含めいろいろと不便な点もありますが、その分注目度は高いです。
16インチと18インチのモデルがあり、価格帯は8~17万円くらい。
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ファイブリンクス
日本のメーカーの折りたたみ自転車。
一見普通の小径車のようですが、かなり特殊な折りたたみ機構で縦長に折りたたむことができ、しかもスタンドで自立します。
また、スーツケースのように車輪を転がして移動することができます。
乗り心地はあえてスポーティではない街乗り風。
価格帯は5~16万円くらい。
タルタルーガ
元ゲーム会社出身の日本人デザイナーが作ったブランド。
「E-VEHICLE = EMOTIONAL-VEHICLE」乗ってワクワクする乗物という設計思想を打ち出し、独自色の強いモデルとなっています。
通常の小径車タイプ(と言ってもかなり特徴あるフレーム)と、リカンベントタイプ(背もたれにもたれるタイプの自転車)の折りたたみ自転車をラインナップしています。
価格帯は16~23万円くらい。
タルタルーガ公式サイト:https://www.tartaruga-ew.com/
アレックスモールトン
イギリスの技術者アレックスモールトン博士が作り上げた超高級ミニベロ。
正確には折りたたみ自転車ではなく、フレームを分割することで持ち運びが可能な小径車です。
特徴的なトラストフレームと前後サスペンションで、高い乗り心地と走行性能を実現しています。
価格帯は30万~200万円(!)くらい。
というわけで、こうしていろいろなモデルを見てみると、単に便利というだけではなく、なかなかに奥の深い趣味の世界が広がっているのが伝わってくると思います。
自転車に何を求めるかは人それぞれ千差万別ですが、興味を持って探してみればきっとあなたにベストマッチの折りたたみ自転車が見つかるはずです!