ホンダのスーパーカブといえば1958年の発売以来、緑や紺色のセミスクータータイプのボディーに、白いレッグガードが印象的なビジネスバイクです。新聞の配達や、蕎麦屋の出前で使っているバイクと聞けば、多くの人が外観を思い描く事が出来るバイクと言えるでしょう。
郵便局のバイクもデザインは違いますがカブのシリーズの一つなので、カブを目にしない日はほとんど無いと言ってしまっても良いぐらいです。
そんな日本の風景に馴染んだ存在と言えるスーパーカブですが、大きな変化を迎えようとしています。
2015年の東京モーターショーにEV(電動)カブのコンセプトモデルが出品されていたのを覚えているでしょうか?現行のカブの印象を残しつつ、初代カブのような跳ね上がったハンドル、マフラーやチェーンケースの無いスッキリとしたデザインなど、強い印象を受けた人も多いのではないかと思います。
2018年にはいよいよ製品版のEVカブが投入されるとの情報が有りました。
日経新聞2017年3月23日の記事でも日本郵便とホンダが提携して2018年に電動バイクに順次切り替えると報じていました。
残念ながらリリースはされませんでしたが、今年こそはいよいよでしょうか!?
日本郵便で導入される電動バイクが電動カブと明言されている訳では有りませんが、何らかの形で2019年に動きが有りそうです。郵便局に充電器を設置し電動バイクの普及を狙うとのことですが、充電と給油どちらが便利なのか?など検討するべきポイントは有りそうです。
以前から、電動のバイクが無かった訳では有りませんが、2019年は電動バイク普及の契機になるのではないかと考えています。エンジンのカブとは違って、モーターで静かに、滑らかに走る姿を見れば、乗ってみたいなと感じる人も出てくる事でしょう。
EVカブの投入は街の風景に変化をもたらす
日本の風景に馴染み、どこででも走っているスーパーカブですが、そのデザインに関しては、世代によってオッサンバイクで有ったり、オシャレバイクで有ったり、対照的とも言える多様なイメージを持たれている少し不思議なバイクだったりします。
カゴや荷台など実用的なパーツ以外にも、カブのドレスアップパーツが多数販売されている点は、カブがビジネスバイクに留まらない存在である事を物語っているのではないでしょうか?
そんな古くて新しくて、野暮ったかったり、オシャレだったり、人によって感じ方が変わるバイク カブだからこそ、EV化されて走り始めれば町中の風景が一変して、2輪はもちろんのこと、4輪のEV化にも一定の影響を及ぼし始めるのではないかと私は思っています。
もともと、カブは開発段階から新聞配達など早朝・夜間の走行を考えて静音化に注意が払われたとのエピソードを聞いたことが有りますが、そういった面から考えても、カブのEV化は理にかなっていると考えられます。
そうなったらカブシリーズ独特のエンジン音を早朝に聞くことが無くなるのは少々寂しくも有りますが、今後、日本の朝の音風景も変化してゆくのは確かなのではないでしょうか?
もちろん、EVカブからカブに乗り始める世代は、マフラーが熱くなる事も、チェーンが伸びて、時々調整しなければならないことも知らずにカブに乗ると思えば、今カブに乗っている人達は耐え難い気分になるのもしれませんが、今後、内燃機関の乗り物が減少していく事だけは、覆しにくい事実ではないかと思います。
そんな中、カブの電動化はターニングポイントだったなと感じる未来が訪れるのではないでしょうか?
自宅で充電できればガソリンスタンド要らず…
EVカブのような電動バイクが普及して自宅でも充電できるとなれば、ガソリンスタンドに給油に行かずに済むのはとっても便利だなと思ってしまうのですが、充電か給油かどちらかを選ぶのは少々難しい問題です。
特に都会に住んでいると比較的ガソリンスタンドも多いので、どちらでも良いのかなとも思えますが、郊外ではガソリンスタンドの件数も少なくなるので、日々の買い物や集落内でのチョットした移動にはEVカブのような乗り物は便利なのではないかと思います。
どのような形でEVカブが投入されて、どのように生活に入ってくるのかは、まだ分かりませんが、何か面白い形で生活に変化が有ると良いですね。